全国でも有数の山葵王国「静岡」
わさび漬けは数多く在れど、静岡市葵区新通に居を構える『田尻屋総本家』の逸品は、人々を異次元の快楽に導いてくれるここだけの一点もの。お酒のあてにも飯の友にも両刀遣いのニクイ代物です。
令和のこの時代、ネット販売はおろか駅の土産物店やデパート等でも売っておらず、欲しければ静岡市の店舗を訪れる他はない。(電話注文で郵送という手段はあるが、、)
目の前で木の樽に量って入れてくれる作業や 奥に垣間見る手作業を拝見するのも一興。
創業は宝暦三年(1753年)
270年間この静岡の地でわさび漬けを作り続けているとは、、江戸時代の庶民もこの味を楽しんでいたと思うと辛みのせいでなくても涙が出る。
徳川九代将軍家重公の時代に産声を上げた田尻屋の山葵漬。
長い年月を経て今も八代当主「田尻屋蔵之介」氏によってこの至高の味は受け継がれている。
『武士の世に 造り始めし 田尻屋の
元祖に香る わさび漬け』
一見、柔らかくなったハーゲンダッツの中に散りばめられたのはドライフルーツか!? いやいや、某蔵元の大吟醸に静岡有東木産の山葵の茎根をじっくり練り込んだ正真正銘の山葵漬。これぞ筆者がほれ込んだ一点もの。
その味はと云うと、
ひとたび口の中に放り込むと、上品に仕立てた酒粕の甘味の直後に、鮮烈な山葵の辛みに圧倒される心地よさがたまらない。
ああ、キンキンに冷えた大吟醸か!
熱々炊き立ての白飯か!
店のすぐ奥が作業場。
量り売りをしてくれる店頭からも垣間見られる作業場には、家内ご近所さん達が膝を突き合わせて毎日山葵を刻んでいる。
残念ながらこの日は作業前。
住所:静岡市葵区新通1-3-2
電話:054-253-0740
営業:10:00~17:00 *売り切れ次第終了
定休日:不定休
かつては銀座のクラブで大流行したとか、、、浪漫を感じます^^
それはともかく田尻屋の山葵漬は、幼少の頃静岡から帰って来る父が買ってきてくれた山葵漬に違いない。
ほんのり甘く、強烈に辛かったことを舌が覚えている。
老舗の味は、間違いなく私の『ベロ旨』の1ページを飾る最高の一点ものです。
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